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過去問 図解の復元 — 試作4問と、復元してよいかの検証

敏の指示(2026-07-28)「あくまで復元でOK・いくつか試作を見せてくれ」に対する提出物。
Phase 1 の52問から型の異なる4問を選び、実際に描いた。結果は2勝2敗で、負けた2問が重要である。

結論

復元できるかどうかは、図の種類ではなく「仕様が図を一意に決めているか」で分かれる。 今回の4問では、部屋割り図と日程表は仕様だけから正確に復元できた。一方、トーナメント表とあみだくじは、 復元すると元とは別の問題になり、正答が変わる

原因は共通していて、意味抽出の仕様が「構造」は持っているが「問題を成立させている印や順序」を落としていることにある。 しかも仕様は自己申告で unreadable: [](読めなかったものは無い)と記録しており、この欠落は仕様を読むだけでは見えない。 描いて初めて出た。

したがって提案は「52問を一括で描く前に、仕様が図を一意に決めるかを1問ずつ判定する工程を挟む」である。 判定に落ちた問題は、図を描かずに保留する。描画規範 beautiful-svg-figures の R1 が 「この図を消して params だけ渡されたとき、答えと図を両方復元できるか。No なら FAIL」と定めており、 今回の2問はここで落ちる。同規範 S2 は「誤図は図なしより悪い」とも定めている。

試作① 部屋割り図 復元できた

特別区 R7 一類 春 事務 問15 / 図の種類: grid

次の図のような 3 階建てのアパートがあり、A〜Iの 9 人がそれぞれ異なる部屋に住んでいる。今、次のア〜オのことが分かっているとき、確実にいえるのはどれか。

原本(該当ページ全体)

原本ページ 特別区R7一類春事務 教養 p7

特別区 R7 一類春 事務 教養 7ページ目。【No.15】の図を見比べる。ページ全体を出しているのは、図だけを自動で切り出すと切り出し失敗で図を失う危険があるため。

復元(仕様のみから描画)

3階 2階 1階 301号室 302号室 303号室 201号室 202号室 203号室 101号室 102号室 103号室

仕様が3階×3部屋の全ラベルと、縦の並び・横の隣接関係まで持っている。 図が伝えるべき情報が過不足なく揃っているので、原本を見ずに仕様だけから描ける。 この型は52問の一括処理に乗せてよい。

試作② ごみ当番の日程表 描けたが仕様に矛盾があった

特別区 R7 一類 春 事務 問13 / 図の種類: table

共同生活をしているA〜Fの 6 人が、次の表のように、月曜日から始まる 4 週間分の資源とごみの当番表を作成することになった。…月曜日は容器包装プラスチック、火曜日と木曜日は燃やすごみ、水曜日は資源、第 1 、第 3 金曜日は燃やさないごみとなっている。

原本(該当ページ全体)

原本ページ 特別区R7一類春事務 教養 p5

特別区 R7 一類春 事務 教養 5ページ目。【No.13】の表を見比べる。第2週・第4週の金曜セルの扱いが焦点。

復元(仕様のみから描画)

曜日月曜日火曜日水曜日木曜日金曜日
種別容器包装
プラスチック
燃やすごみ資源燃やすごみ燃やさないごみ
第1週12345
第2週89101112
第3週1516171819
第4週2223242526

斜線のセルは「日付は存在するが、その日は収集が無い」ことを表す(燃やさないごみは第1・第3金曜のみ)。

描いて初めて出た矛盾。仕様の構造フィールド dates は第2週・第4週の金曜を null としている。 しかし同じ仕様の labels_in_figure には「12」「26」が入っている。

dates をそのまま信じて描くと、12日と26日が消えた表ができる。 日付が無いのではなく、日付はあって収集が無いのが正しい。上の表は labels_in_figure 側を採って描いた。

これは「仕様の中で2つのフィールドが食い違っている」型の欠陥で、片方だけ読んでいたら気づかない

試作③ トーナメント表 復元してはいけない

特別区 R5 一類 問10 / 図の種類: tournament

A〜Fの 6 チームが、次の図のようなトーナメント戦でソフトボールの試合を行い…ただし、図の太線は、勝ち進んだ結果を表すものとする。

原本(該当ページ全体)

原本ページ 特別区R5一類 教養 p3

特別区 R5 一類 教養 3ページ目。【No.10】のトーナメント図太線が引かれている枝があることを確認してほしい。これが「勝ち進んだ結果」を表している。

復元 — 描かない

仕様に太線が記録されていないため、描けば「どの枝が太いか」を私が創作することになる。

骨組みだけの図は描けるが、それは受験生が解けない図であり、太線を推測で補えば別の問題になる。

規範 S2「誤図は図なしより悪い」に従い、意図的に描いていない。

設問が「図の太線は勝ち進んだ結果を表す」と明言している。つまり太線はこの問題を成立させている情報そのものである。 ところが仕様には太線が1箇所も記録されていない。2人の抽出者の両方が落としている。

r-terra: 太線への言及 0箇所 / "unreadable": [] r-luna : 太線への言及 0箇所 / "unreadable": []

骨組み(1回戦2試合・2チームは不戦で2回戦から・3位決定戦・5位決定戦)は仕様に揃っているので、 「それらしいトーナメント表」は描ける。しかし太線が無いので、どのチームが勝ち上がったのかを図が示さない。 描けば受験生は解けない図を見ることになり、太線を勝手に補えば元と別の問題になって正答が変わる

なお両者とも unreadable: []=「読めなかったものは無い」と申告している。この自己申告は誤りである。 仕様の充足性を自己申告に委ねてはいけない、という証拠になる。

試作④ あみだくじ 復元してはいけない

特別区 R7 三類 問14 / 図の種類: route

次の図のようなあみだくじのBとCの縦線の間にある直線を 1 本消去したとき、確実にいえるのはどれか。

原本(該当ページ全体)

原本ページ 特別区R7三類 教養 p5

特別区 R7 三類 教養 5ページ目。【No.14】のあみだくじ。横線がどの高さに、どの順で引かれているかを見てほしい。この順序が答えを決めている。

復元 — 描かない

仕様は横線の本数しか持っていない。高さも順序も無い。

同じ本数でも順序が違えばゴールが変わるので、描けば本数だけ同じ別のくじになる。

設問は「B・C間の直線を1本消したら」を問うており、消す対象の位置が変われば答えも変わる。図が主で文が従の型で、最も危険。

仕様が持っているのは本数だけである。

A-B間: 横線3本 B-C間: 横線3本 + 斜線2本(1本は下向き・1本は上向き) C-D間: 横線3本 D-E間: 横線3本 当たり: Aの下端・Eの下端

あみだくじの結果は、横線の上下の順序で完全に決まる。同じ本数でも順序が違えば行き先が変わる。 仕様には順序も高さも入っていないので、ここから描いた図は本数だけ同じで中身が別のあみだくじになる。 設問は「B・C間の直線を1本消したとき」を問うており、消す対象の位置が変われば答えも変わる。

この問題は「図が主で文が従」の典型で、図を復元できなければ問題ごと出せない。 それらしく描くことが最も危険な型である。

提案

52問を一括で描かず、先に1問ずつ「仕様が図を一意に決めるか」を判定する。今回の4問がそのまま判定の型になる。

  1. 設問が図中の印に言及していないかを機械で拾う(太線・実線・点線・斜線・矢印・網かけ等)。言及があるのに仕様に無ければ即保留。
    52問中、設問が印に言及しているのは6問。うち1問(今回の試作③)が仕様に記録なし。
  2. 順序・位置が答えを決める型かを判定する(あみだくじ・経路・トーナメントの対戦組み合わせ)。本数や個数しか無い仕様は保留。
  3. 仕様内のフィールド同士が矛盾していないかを照合する(試作②の dateslabels_in_figure)。
  4. 3つとも通ったものだけ描画に回す。落ちたものは図を描かず保留し、原本の扱いを別途決める。

unreadable: [] という自己申告は判定に使わない。今回2問でこの申告が誤っていた。

敏に決めてほしいこと

  1. 判定に落ちた問題をどうするか。図を描かず保留にして解説の対象外に置き続けるか、原本ページ画像(既に53枚ある)を使う道を検討するか。後者は原本の表現をそのまま載せることになるので、実過去問のIP裁定と同じ論点に触れる。
  2. 判定を通った型から先に進めてよいか。部屋割り図・日程表のような「構造がすべて」の型は今日の4問で安全性が確認できたので、52問のうち該当分を先に描き切ることができる。
  3. 抽出のやり直しをするか。太線や順序を落とさない仕様に作り替えるには、意味抽出からやり直すことになる。対象問題数と手戻りの規模を見てから判断したい。

作成: 2026-07-28 / 出典: kakomon_db/figure_specs_phase1.json(Phase 1・52問)
復元図は仕様の意味情報だけから描いており、描画時に原本は参照していない(「レンダラに原本を見せない」設計に従った)。 左に並べた原本は、敏が見比べるために後から置いたもので、描画には使っていない。原本は本ページ内のみの参照用(noindex・社内レビュー面)。